ハマラボのお正月!遠州のお雑煮調査
公開日:2018/01/01
ハマラボ2018年最初の研究は、遠州のお雑煮文化。
もう食べた方もこれから食べる方も食べる予定のなかった方も必見の、静岡県西部のお雑煮事情を調査致しましたのでご報告いたします!
遠州のお雑煮の特徴は?
お正月の味、といえばお雑煮。地域ごとに差異が大きく、日本の地方による食習慣の違いを表す例としてもよく使われます。
例えば関東は角餅文化なのに対し関西は丸餅。
味付けも大きく分けて、「澄まし」の関東風と「白味噌」の関西風があります。
地域の風習や特産によって具材も変わり、福岡では鰤が入っていたり、香川では普通の餅ではなく、餡子を餅でくるんだ餡餅が入っているのだとか。
もちろん遠州地方にもお雑煮文化はあるので、まずは遠州全域で見られるお雑煮の特徴をまとめてみましたよ!
- 味付け:かつおだしに醤油で味付けをする関東風
- かつおぶしの輸入量日本一の背景からか、出汁は圧倒的にかつおだしが多い模様。 関東風と呼ばれる醤油で味付けするすましのお雑煮です。
- 餅:切り餅を焼かずにそのまま煮る
- 切り餅は関東の文化ですが、餅を焼かずにそのまま煮て、汁をにごらせるというのは関西の文化。 東西の間にある静岡県は、関東風の餅を関西風に調理します。
- 具材:山間部は里芋、沿岸部は京菜
- 天竜区などの山間部では里芋が具材に入ることが多いそう。 反対に南区などの沿岸部は、水菜などの京菜を中心にした具材が多く入ります。
- その他:かつおぶしをかける
- 最後にかつおぶしをかけるのも遠州全域で見られる文化。 浜名湖で青のりが獲れることもあってか、青のりをかけるご家庭もあるようですよ。
ハマラボ的!遠州地域のお雑煮図鑑
遠州地域の中であっても、最東端から最西端まで60km以上。お雑煮文化にも多少の地域差が存在します。
今回は調査してわかったいくつかの特徴的なお雑煮を実際に作ってみましたよ!
磐田市
まずは研究員aの出身地、磐田市のお雑煮。
具材は白菜、人参、海老芋、切り餅。上にかつおぶしがかかっています。
特筆すべきは里芋の代わりに入った海老芋。磐田市の特産品です。
里芋よりもきめ細かくねっとりとした食感は、他のしゃきしゃきした具材たちと相性抜群。
湖西市
お次は研究生の出身地、遠州最西に位置する湖西市です。
具材は白菜、人参、油揚げ、切り餅。上にかつおぶしと青のりがかかっています。
油揚げを入れるのは湖西市と浜松市の引佐、三ヶ日地域のみ。
愛知県に近く、昔から東三河地域と交流が深かったこれらの地域では、東三河の文化が入り、油揚げを具材にするのが一般的になったのだそうですよ。
油揚げがすましのあっさりした味にコクを加えています。
天竜区春野町
遠州地域で少し変わったお雑煮といえば、天竜区春野町。
具材は里芋と切り餅のみ。上のかつおぶしはその他地域と共通です。
里芋は皮つきの状態でふかし、すまし汁に後から入れます。
かなりシンプルですが、里芋のほくほくとした食感と素朴な味を、あっさりした汁が引き立ててくれますよ。
ハマラボオリジナルお雑煮をつくろう
お雑煮はその地域の風習や特産によって差異が出ることが多いとのこと。
それなら遠州の特産品をたくさん使った、オリジナルお雑煮があってもいいのではないでしょうか。
ということで、遠州の特産品を使って、ハマラボオリジナルお雑煮を作ってみたいと思います!
材料(2人前)
- 緑茶…400ml
- だしの素…小さじ1
- 酒…大さじ1
- 醤油…大さじ3
- 牡蠣…4個
- 海老芋…小さめ2個
- おはたき餅…4切れ
- かつおぶし…適量
- その他お好みの具材
静岡といえばお茶!緑茶は掛川市の掛川茶を使用しました。
新居名産の牡蠣「プリ丸」
遠州で牡蠣?と思われるかもしれませんが、浜名湖は牡蠣の養殖も行っています。新居名産の牡蠣「プリ丸」は身がしまっていておいしいと評判なんですよ!
京野菜のひとつ、海老芋は、いまや静岡が日本一の名産地。特に磐田市での栽培が盛んです。
おはたき餅は、うるち米ともち米を混ぜて作られる遠州名物。普通のおもちのように伸びませんが、あっさりとした味わいが人気です。
今回はその他の具材として、スタンダードに白菜と人参を入れました。
作り方
①:海老芋など根菜類は皮をむき、一口大に切って下茹でをします。
②:400mlのお茶にだしの素、酒、醤油、白菜などの葉物を入れて火にかけます。
③:白菜が透き通ってきたらその他の具材(根菜、牡蠣、おはたき餅)も入れ、さらに一煮立ちさせます。
④:牡蠣に火が通り、おはたき餅が柔らかくなったら火からおろして、かつおぶしをのせて完成です!
実食
早速実食です。
お茶入りの汁は、風味がよく後味に少し苦みが残る大人の味といった印象。
苦みの少ない新茶などを使うと、お子様でもおいしく食べられそうです。
おはたき餅を使うことで汁が濁らず、またもちもちした食感はそのままに、歯切れよく食べやすいお雑煮になりました。
浜名湖産の牡蠣は「プリ丸」の名に恥じない肉厚さ!
火を通しても縮まず、濃厚な牡蠣の味を楽しめました!浜名湖の牡蠣、おすすめです!
今年のお雑煮はちょっと変わった「ハマラボお雑煮」にチャレンジしてみませんか?
お雑煮に地域差があることは有名ですが、遠州地域の中だけでも差異があることは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
基本的な味付けは同じなので、2杯めは具材を少し変えて他の地区のお雑煮を食べる!というのも楽しいかも!
個人的なおすすめ具材はやはり地元の特産、海老芋。
里芋の代わりにするだけなのでレシピの中に取り入れやすく、あのねっとりとした食感は癖になりますよ!
新年1本めの研究は遠州地域の食文化でした!本年もよろしくお願いいたします。
この記事を書いた人
- 浜松を愛し、浜松に愛されることを目指して日々研究に没頭中
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