サイエンスクッキング対決♪ 今年のバレンタインはカカオ豆から
公開日:2021/02/10
もうすぐ2月14日。
来たるバレンタインに向けてチョコを準備中でしょうか。
せっかくなら「カカオ豆」からチョコ作りに挑戦してみませんか?
バレンタインにカカオ豆からチョコレートを作ろう
「カカオ豆から作った本命チョコです!」
「感激ッ!」
「カカオ豆から作った義理チョコです!」
「(義理の割には手間が、もしかして本命!)ッ!!!」
一歩間違えるとお相手の受け止め方も実にさまざまになりそうな愉快なチョコ。
そうそれは、カカオ豆から作ったチョコ!
そんな愉快なチョコを作るのが今回のみらい~ら×ハマラボのコラボ。
みらい~らからのお題は、カカオ豆よりちょっとお手軽な「カカオニブ」を使ったチョコ作り!
カカオニブとは?
カカオ豆を発酵させて焙煎して皮を取り除いたのがカカオニブ。
こちらがカカオニブ
なんと、このカカオニブをすり混ぜることでチョコレートができるそうです。
みらい~らクッキング研究員とサイエンスクッキング対決
せっかくチョコを作るなら「バレンタイン用の力作を!」と気合が入ったハマラボスタッフ。
科学でおいしいチョコを作るみらい~らチームに対して、ハマラボチームは持ち合わせていない女子力を絞り出して戦います。
2月某日、みらい~らサイエンスラボにて対決の火蓋が切られました。
会場はみらい~らのサイエンスラボ
対戦していただくのは、みらい~らクッキング研究員の大堂さん。
大堂さん | 科学の要素を入れて、おいしく食べて頂けるように精一杯がんばります。 |
対する、ハマラボチーム。 出で立ちは料理長です。
何事もカタチから入るハマラボスタッフ、科学室がカオス
ハマラボ料理長 | 熱を使わない料理は作れるから今回は大丈夫かな。 |
なお、今回の謎の対決には解説・審査員をお呼びしております。
浜松市中区鴨江で紅茶教室・お菓子教室「Fete a la maison(フェットアラメゾン)浜松」を開いていらっしゃるパティシエの田中先生です。
科学館のスタッフさんがお教室に通われているご縁で今回お越しくださいました。
田中先生「今日の私は、岸朝子(「料理の鉄人」の審査員)ね」
田中先生 |
カカオニブからチョコレート作りははじめて。 カカオニブ自体をケーキの生地やクッキー生地に混ぜてカリカリ感を楽しむ、そういう風にしか使ったことがないですね。 |
基本的にパティシエが普段使用するのはすでに砂糖も加えられたクーベルチュールチョコレートなのだそうです。
―――今回は料理のアクセントではなく、「カカオニブ」がメイン素材です。よろしくお願いします!
本日のクッキングお題とルール・材料紹介
お題は「4種のチョコ」。
カカオニブから作った「基本チョコ」と「アレンジチョコ3種」です。
作業の制限時間は90分、そのあと冷蔵庫で冷やします。
まずは本日の材料をご紹介。
カカオニブはカルディのもの
- カカオニブ 50g
- カカオバター 25g
- 粉砂糖 40g
「粉砂糖40g」を「カカオニブ50g」+「カカオバター25g」で割った数字を%にしたのがカカオ分。今回は、カカオ分が約53%のチョコができあがる予定です。
お次は調理器具をご紹介。
- ボウルとヘラ
- すり鉢
- ミル
- 温度計
- チョコ型
それでは調理スタートです! ファイッ
チョコ作りの簡単な手順はこちら
- ・カカオニブをすり潰す
- ・湯せんで溶かしながらすり潰す
- ・カカオバターと粉砂糖を混ぜる
- ・テンパリング
- ・チョコ型に入れて冷やす
まずはカカオニブを細かくすり潰す
まずはカカオニブを粉砕します
両チーム文明の利器を使用
田中先生 |
みらい~らチームはコーヒー用のミル。 ハマラボチームはミキサーのミルですね。 |
―――試しにすり鉢だけでやってみたら、すり潰すだけで2時間弱経過しまして。
コーヒーミルでウィーンっと、もう少し回しておこうかな
田中先生 | 結構細かくなりますね。 |
ここからすり鉢でさらにすり潰していきます
対する、ハマラボチーム。
これはガラス部分から粉砕具合がよく見えますね
カカオニブが踊りながら粉砕されていく様子がおもしろい。
動きが鈍くなってきたら豆から油分がでてきた頃。
カカオ豆の50%は油分なので、すり潰すことによってカカオに含まれる油分が溶け出てきます。
あっという間に豆の油分が出る状態にまでなりました
ミキサーのミルなら、カカオ豆の油分が出るくらいまで一気にすり潰すことができていますね。
すり潰したカカオニブの香りが気になる田中先生
田中先生 | カカオの香りがすごい! |
―――カカオニブ香りがすごく良く(ほとんどチョコ)ておいしそうだけど、食べてみると苦いんですよね。しかも、豆で食べるよりペーストにすると苦さが増す気がするんです。
田中先生 |
口の中に残ってベタッとはりつくから味が強く感じるんです。 甘いものも、ねっとりしたものはより甘く感じますよ。 |
―――なるほど、食感は味の濃さを左右するんですね。
ミルから取り出したカカオニブ
―――電動ミルで削ったあとの両チームのカカオニブの粗さが結構違いますね。
これには、すり鉢ですり潰し作業に入っていた大堂さんが反応。
え?
大堂さん | 粗さが違う? 見に行ってもいいですか? |
―――NGです(笑)
コーヒーミルとミキサーのミルでは同じ電動でも威力が違うようです。
負けじとゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
―――チョコ作り、全然可憐じゃない。
大堂さん | そうですね、力技です。 |
みらい~らチーム、すり鉢で奮闘
田中先生 | すごい!油でてきたね。 |
大堂さん | ゴリゴリだけでも油がでるけど、湯せんにかけたらもっと油がでてきます。 |
みらい~らチームの粉っぽかったカカオニブも油が出てきてしっとり。
味噌のようになりました。
さて、カカオニブの油分が出るくらいすり潰したら次の段階です。
湯せんしながら、さらにカカオニブをすり潰す
こん棒のような山椒の木のすりこぎでゴリゴリ
ハマラボ料理長 | すりこぎが重い、使いにくいよ! |
解毒作用があるとされる山椒の木が古くからよくすりこぎに使用されているということで、こだわりの逸品として迫力のある山椒の木のすりこぎを用意しましたが、早々にお払い箱になりました。
引き続き、双方 湯せんしながらゴリゴリとカカオニブをすり潰していきます
cooking アドバイス |
ボウルやすり鉢の下には、ぬれ布巾を敷くと良いですね |
すり潰し作業がひと段落したら、カカオバターと粉砂糖を投入
天かすにも見えるのはカカオバター
なかなか溶けない様子
cooking アドバイス |
すり鉢は熱を通しにくいので熱いお湯で湯せんした方が良いかな。 |
溶けたところで粉砂糖を投入してグルグル
大堂さん | 砂糖を入れると油分を吸着するような感じになります。 |
田中先生 | そうですね、そのあとまた緩くなりますね。 |
―――本当だ、1回固まってまた緩くなった!
ハマラボチームはカカオバターと粉砂糖を一気に投入
ぐるぐるぐるぐるぐる、両者湯せんでのすり潰し作業が完了しました
田中先生 | 本当のチョコ作りって滑らかにするために1日すり続ける? |
大堂さん |
機械で24~72時間ずーっとすり続けるらしいです。 それを手作業で短時間なのでどうしてもザラザラ感は残ります。 |
テンパリング(温度調整作業)
テンパリングとは、チョコの結晶を安定したものにするための温度調整。 チョコの結晶にはI型~VI型までの6つの結晶構造があり、1番安定した結晶がおいしいチョコになります。うまくできていないとチョコの表面が変質したブルーム現象という劣化現象(白い粉)が発生したりします。
みらい~らチームのテンパリングの様子。
46℃→27℃→33℃
湯せんですり潰す作業が終わった時点で、チョコの温度は約30℃。
そこから46℃に温めながらかき混ぜ、次は氷水で27℃まで冷やしながらかき混ぜ、最後に33℃になるまで温めながらかき混ぜています。決まった温度でキチッと作業しています。
対する、ハマラボチーム。
温→冷→温
温める、冷やす、温める。
このテキトーさよ。
田中先生 | ハマラボチーム、テンパリングしてないの? |
―――温めて、冷やして、また温めるのがテンパリングなのかと?
田中先生 | 温度が大事ですね。 |
―――おぅ、これじゃテンパリングと言えないのか…
ハマラボチームが参考にしたのは、ネットで見つけた簡単そうなレシピ。
温度が書いてなくてラクそう(笑)だと選んだのですが、これだとテンパリング作業とはいえないようです。
田中先生 |
私は、温45℃→冷28℃→温30℃ でテンパリングします。 でも、テンパリングはきっちりはかっても失敗することがあるし、適当にやってうまくいってしまうこともあるので、どうなるのかは本当に分からない。そのくらいチョコは難しい素材。 |
果たして影響はあるのでしょうか。
テンパリングが終わった両者のチョコを見た田中先生から一言。
田中先生 | やっぱりザラっとして見えますね。 |
―――あー、そこはもうどうしようもないとこです(泣)
cooking アドバイス |
両チームとも、湯せんから外した時にボウルの底を拭いた方が良いですよ。チョコレートに水分が入ると分離してしまうので。 |
チョコレートに水分は大敵です!
チョコの型入れ&アレンジチョコ作り
最終段階、チョコを型に入れて仕上げます。
チョコの仕上がりを確認するための基本となるチョコを型に入れます。味が変わらない程度の飾り付けは良しとします。アレンジチョコは、お互いにどんなアレンジをするのか知らないので楽しみ!
みらい~ら アレンジチョコ作り中
cooking アドバイス |
テンパリングした後にチョコの温度が下がってきたらもう一度温めた方が作業しやすくブルーム(白い粉)もできにくいです。 |
ハマラボ アレンジチョコ作り中
田中先生 |
こういう作業、チョコ作ってるって感じしますね! チョコはお皿においたらくっつくのよね。 |
ハマラボ料理長 | そうなんです、お皿に置いたらくっついて剥がせませんでした! |
チョコを固める際にはお皿の使用はNG!
さて、両者 ひたすらちまちました作業が続きます。
これが終わったら、15分ほど冷やして完成です。
チョコが完成! みんなで試食会
完成したチョコレートをみんなで試食。
田中先生にはこのあと「基本チョコ部門」「アレンジチョコ部門」でそれぞれ審査をしていただきます。
チョコはバレンタインらしく、箱入りの4種類のアソートに仕上げました。
まずはみらい~らチームのチョコ。
みらい~らチームの4種のチョコ
基本チョコ +「エディブル・フラワー」
食べられる花 エディブル・フラワーを飾りに使用したチョコ
大堂さん | 食紅とかを使用しないで、自然の美しさでチョコの味を邪魔しないので選びました。押し花なので日持ちもします。 |
―――生花を使用したことあるんですけど、押し花すごく使いやすそうで良いですね!
アレンジチョコ 「クルミとアーモンド」
ナッツを中に入れたチョコ
大堂さん | クルミとアーモンドを入れました。 |
田中先生 | ナッツはチョコに合いますね。 |
―――ナッツが入ると香りが良いし、チョコのザリザリが気にならなくなりますね。
アレンジチョコ「クリームチーズ」
みんな興味津々だったのがこちらのクリームチーズ。
―――クリームチーズ合う、なにこれ!おいしい
田中先生 | 本当? あ、おいしい。 |
意外な組み合わせのクリームチーズ。
塩味がチョコを引き立てています。クリームの滑らかさも良い感じです。
アレンジチョコ「オレンジ」
田中先生 | オランジェットのオレンジは手作りなの? |
大堂さん | シロップ漬けにした静岡県産のオレンジを100℃で片面30分ずつ焼きました。 |
―――おいしい!香りも良い。苦味も合う。
そしてまさかの地元要素を入れてくださいました(笑)
―――オレンジとチョコの組み合わせってよく見かけますよね?
大堂さん |
科学館チームとしては、チョコとなじむ素材を探しました。 カカオは50%が油分。科学的に油と油はなじみやすいという点から、油分が多く含まれる食材を選びました。 |
大堂さん | くるみは油が68%入っていて、クリームチーズが乳脂肪、オレンジは皮のところにリモネンという油があります。 |
―――油と油が馴染みやすい! なるほど。
田中先生 | そういうことだったんだ! |
先生もご納得の様子。
よく見かけるチョコと食材の組み合わせにも理由がありました。
逆の相性が悪いのは水分ということで、やはりチョコに水分は大敵なんですね。
ハマラボチームの4種のチョコ
基本チョコ+「転写シート」
これはお手軽アレンジとして紹介できるなと取り入れた、転写できるチョコ型。
田中先生 |
チョコを簡単に映えさせるのに転写シートはオススメ! シートタイプの場合はちょっとコツがあって、空気を入れないようにするのが大事です。 |
アレンジチョコ「ナッツ&ドライフルーツ」
最近の流行を取り入れた、チョコにナッツやドライフルーツをたくさんトッピングしたチョコ!
このタイプのチョコには「マンディアン」という名前があったことが田中先生によって判明しました(笑)
田中先生 | これおいしい。ベリーが合ってる。 |
ドライラズベリー&フランボワーズが良い仕事をしてくれました
アレンジチョコ「レンコン」
みんなが食べると、これまでにないゴリゴリ音が発生したのはレンコン。
ここはやはりハマラボ、浜松要素を加えたい!
チョコ×フルーツは定番なのでいっそ地元野菜をということで、見た目もかわいらしいレンコンをチョイス。
塩水につけて、電子レンジでチンした乾燥レンコンなのでヘルシーです!食感も楽しめます。
大堂さん | 意外な取り合わせでおいしい、子どもにあげたいおやつ。 |
田中先生 |
レンコンうまくできてますね、カリカリ! おつまみにいい。 あとは、チョコ部分にちょっとピスタチオをつけたら映えていいよね。 |
アレンジチョコ「お花」
何事も見た目から入るハマラボ。
素人がどうにかして技巧を凝らしてみようとチョコ細工に挑戦しました!
※お花の細工は作業時間をオーバーしています。
1枚ずつ作った花びらをチョコで接着
田中先生 |
これは食べられないよ~。 カカオニブからこれになるってすごい。 |
箱からはみ出るお花の存在感!
審査結果発表
まずは基本チョコの審査です。
カカオニブから作ったチョコの仕上がり具合を比べてもらいました。
基本チョコ部門
田中先生 |
言っていいですか? どっちのチョコもザリザリしてます。 |
―――あははは(笑) ザリザリ感に差はないですか?
田中先生 |
若干、みらい~らチームのザリザリ感が少ないかな? きっとよくすり鉢ですってた分ですね。 |
コーヒーミルの威力が弱かった分、すり鉢で奮闘したところが良かったようです。
―――テンパリングの差は?
田中先生 |
どちらもそんなに差はないかな。 テンパリングって大きいのは見た目。失敗すると見た目に出るので。 |
なんと、ハマラボチームの温めて冷やして温めてのテキトーさでも何とかなってしまいました。
―――それでは、基本チョコの勝負はどちらが勝ちでしょうか?
田中先生 | 基本チョコは「みらい~らチーム」かな。 |
大堂さん「おっしゃッ」
勝因「滑らかではないけど、どちらかといえばチョコが滑らかだった」
チョコの滑らかさから、僅差でみらい~らチームの勝利です。
田中先生 | ハマラボチームのチョコのザリザリ感はアクセントになってて良かった。 |
―――先生、優しい!
田中先生 |
でも、どちらも最初にカカオ感がきて、あとから甘みがくる。 別々にくるってことはカカオと砂糖が混ざってない状態なのかな。 |
くうっ、どんなにゴリゴリすり潰しても市販のチョコには遠く及ばないのか。
アレンジチョコ部門
―――アレンジチョコ部門の勝負はどちらが勝ちでしょうか?
田中先生 | 引き分けはなし? |
―――なしです!
田中先生 | じゃあ、ハマラボチーム! |
じゃあ(笑) が付きましたが勝利は勝利です!
勝因は「チョコのザラザラ感とナッツとベリーのカリカリ感が良く合ってた。レンコンも良い。そして花の存在感!」
田中先生 | 両チームのアレンジ全部おいしかったです。 |
大堂さん | おいしくできて良かった! |
―――ありがとうございました!
上手にアレンジすれば、カカオニブのザリザリ感が気にならないおいしいチョコができますね。
チョコの表面を観察してみよう! テンパリングによる違い
テンパリングが上手にできていなかった場合にどんなチョコになるのか。
チョコの表面をデジタルスコープで観察してみました。
科学館1階自然ゾーンのデジタルスコープ
230倍まで拡大できるデジタルスコープ。
画面にその様子が映し出されるのでみんなで観察することができます。
では、こちらのチョコで観察していきます。
左は肉眼でも白い粉が見える、変質してブルーム現象がおきているチョコ。
右は大堂さんがテンパリングしたチョコです。
テンパリングが上手くできていないと、チョコに白い粉が浮き出た劣化現象「ブルーム現象」が発生しやすくなります。
まずは白い粉が見えるブルーム現象がおきたチョコから
大堂さん |
倍率70倍くらいで表示しています。 あきらかに砂糖の結晶が表面に固まっていますね。 |
―――すごく言葉が悪いけど、汚いですね。
大堂さん | そうですね。見た目にも悪いけど味も落ちます。 |
肉眼だとただ白っぽいだけでしたが、拡大すると表面の変質した結晶が確認できました。
お次は大堂さんがテンパリングしたチョコ
大堂さん | 結晶が全然浮き上がってないですよね。 |
―――たしかに表面が滑らかです。
ブルーム現象には、砂糖が溶けて再結晶化したものと、脂肪分が溶けて再結晶化したものがあります。どちらも見た目悪いだけでなく、味にも影響が出てくるのでテンパリング作業はチョコ作りにおいて重要なのだそうです。
カカオ豆から手作りできるキット
クッキング研究員の大堂さんにお話しを聞いてみた
本日、対決をしてくださったクッキング研究員の大堂さん。
普段はサイエンスチームの一員。サイエンスショーや5~10分で簡単に工作できるミニワークショップを担当しています。最近では15分でできる実験を考えているそうです。
―――カカオニブからチョコ作ってみて、いかがでしたか?
大堂さん | 豆からチョコ作りは1回やってみたかったの。 |
当たり前にそのへんで購入できるチョコ。何の疑問も持たないで食べているチョコに対しても知的好奇心を発揮する科学館スタッフらしいお言葉。
大堂さん | 豆から作ったチョコって貴重だと思う。植物からとれた実でチョコというお菓子ができる過程もおもしろい。チョコに合う食材も探していく中でちゃんと科学理論で「油と油が合う」などと分かったのもおもしろかったです。 |
―――私も油と油が合うって知ってなんだかスッキリしました!
大堂さんがお仕事の中で1番お好きなのは工作。
参加者と一緒に作ったりするミニワークがとくに楽しいそうです。
―――今日のチョコ作りも工作みたいですよね! 以前に「色変わりパンケーキ」という実験をされていたし、食べ物系が多いんですか?
大堂さん | 食べ物関係も好きです(笑) でも、どちらかというと小学生とか幼稚園児のお子さん向けの実験教室や簡単な工作を考えることが多いですね。 |
実験や工作のアイデア探しにも利用するというのが科学館のサイエンスライブラリー。
今回のチョコ作りでもこちらにある本を1冊参考にしたそうです。
「料理の科学大図鑑」!!!
大堂さん |
こちらはサイエンスライブラリーにある本。 チョコ以外にも楽しいことがいっぱい、オススメの1冊ですよ! |
大堂さん | 調理方法や温度による違いが細かく紹介されていたり… |
―――おいしい調理の条件と理由が全部載ってるんですか? すごい楽しそう(興奮)
「なんで?どうして?」と気になる料理の疑問に、これでもかと答えてくれそうな本ですね。
大堂さん | ぜひ読みに来てください! |
サイエンスライブラリーで大堂さんのオススメ本が読みたいぞ
パティシエ田中先生とお料理教室について聞いてみた
―――カカオニブから作ったチョコはいかがでしたか?
田中先生 | とても楽しかったです。カカオニブからチョコを作ったことがないので貴重な体験でした。こんなにおいしくできると思いませんでした。新しい発見もたくさんありました。でも、自分では作らないかな(笑) |
―――紅茶・お菓子教室は「Fete a la maison(フェット アラメゾン)浜松」がどんなお教室か教えてください。
田中先生 | 和菓子・洋菓子の作り方を教えるお菓子教室と、紅茶と日本茶と中国茶の歴史・文化・淹れ方を教える紅茶教室です。お菓子教室では15年、紅茶教室は19年くらいになります。 |
―――お菓子作りには、私みたいなずぶの素人が参加しても大丈夫なんですか?
田中先生 | 大丈夫ですよ。初めて参加してマカロン作りでも失敗しないで作れます。 |
「素人でも失敗なし」、心強いお言葉です。
お教室ではバレンタインチョコの教室(トリュフやチョコレートケーキ作り)も開催。
もちろんカカオニブではなくクーベルチュールチョコから作ります。
―――チョコはきっちり作業しても失敗することがあるとおっしゃってましたが
田中先生 | そうですね、例えば生クリームと混ぜる時に失敗する人が多いですね。失敗すると生クリームの中にチョコチップができます。 |
―――それは、知らないとチョコチップ入りの生クリームかと思いますよ。
田中先生 |
チョコは本当に繊細で難しい。だからこそおもしろい。 でも、失敗するとみなさんショックなのでお教室では比較的扱いやすいチョコレートを選んでいますよ。 |
お菓子教室レッスンは1回ごとの完全予約制。
何を作りたいかは、HPの季節のメニューからお好きなものを選択。
少人数開催でだいたい2人までのレッスン。
お好きなメニューを選ぶので、同じ日に参加した人がいたら隣で全く別のケーキを作っているそうです!
―――最後に、チョコと一緒に飲むなら何茶が合いますかね?
田中先生 |
チョコと一緒に飲むなら紅茶。コーヒーも合うよね。 でも、紅茶の方がチョコの繊細な味がよくわかるかな。 |
紅茶教室・お料理教室「Fete a la maison(フェット アラメゾン)浜松」
https://fetealamaison.com/index.html
お店に行ったら簡単に手に入るおいしいチョコが一体何からどうやってできているのか?
疑問に思わない方はきっと多いのでしょう。いくつになっても「何でだろう」「何からできているんだろう」「どうしてこうなるんだろう」と興味を持って探究するのはおもしろい! 大変だけど楽しいんだなこれが。
カカオの豆からチョコ作りをして、「カカオ豆からどうやってチョコができるのか」は分かったけど、いざ作ってみると、「むしろ何であの豆からチョコにたどり着いた?」と逆に不思議でなりません。困ったな「なんで?」が尽きないぞ。
チョコのアレンジでは「この食べ物には何が合うんだろう」とそれぞれのチームが考えたものを食べて、その理由をお互いに知ることでさらに興味は深まるばかり。困ったな、なんかいろいろ止まらないぞ(笑)
一度はカカオ豆から作りたいチョコレート!
どんなにがんばってもザリザリ感が残るチョコを知ったら、市販の滑らかなチョコの偉大さを知るであろう。何十時間もすり混ぜてようやくできあがる滑らかなチョコ1粒を数十円で食べられるありがたみを感じるようになるであろう。もちろん自分で作ったチョコは格別♪ プレゼントに渡したらインパクト大賞だって獲れそうよね。
「カカオ豆から作った本命チョコです!」
この記事を書いた人
- 文鳥を飼っています。
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