目への御利益がある?油山寺を調査!
公開日:2017/10/12
東大寺の大仏を造ったといわれている「行基菩薩(ぎょうきぼさつ)」と呼ばれる菩薩様が、今から約1300年前、油山寺に無病息災を祈念し、病気を治す薬師如来を安置して奉り、開山された古いお寺です。
油山寺の正式名称は、医王山薬王院油山寺(いおうざんやくおういんゆさんじ)というのだそう。
また、昔はこの山から油が出ていたので通称「あぶらやま」ともいわれていたそうです!
今回は、目へのご利益があると言われている油山寺を調査です!
「油と目」・・・一体どんな関係があるのでしょうか??
山門を調査!
油山寺の全体マップです。
敷地内が広く、本堂は山の上にあるようですね。
それではさっそく調査開始です!
油山寺の敷地内にある、無料駐車場に車を停めるとすぐに「油山寺」と彫刻された大きな石碑が見えてきました。
階段を上り終えると、「山門」と呼ばれている門が現れます。
こちらが山門。なんと国指定重要文化財なのだそう!
立派なしめ縄が特徴的な山門は、元掛川城大手門で井伊直好公が建立したものであるといわれています。
屋根の両端に装飾されている「鯱一対」という鯱の装飾品も、江戸初期の名作であるといわれていて「城郭建築」と呼ばれている、敵から侵略を防ぐ軍事施設の建造物の中でも貴重な建物なのだそうですよ!
また、前後に屋根がある造りの「二層片潜付城門」は全国的にも珍しいそうで、静岡県唯一の城郭文化財なのだとか・・・
こんなに珍しい門が袋井市で見られるとはなんだかラッキーですね♪
御霊杉を調査!
山門のすぐ近くに「御霊杉」と呼ばれる大きな木が一本そびえ立っています。
この御霊杉は、弘法大師(別名:空海)とゆかりのある霊木であり、天然記念物に指定されているそうです!
昔、弘法大師様が布教のため諸国を巡り歩いてる途中で、他の寺に長く滞在し籍を置いて修行する「掛錫(かしゃく)」を行いました。
そのころ、貧しい村人の子供が病気で命を落としかけていました。
そのことを知った大師様は、仏法に備わることで得た超人的な力「法力」で子供の命を助けました。
のちに子供の両親が御礼として、夫が松を使い、妻が杉を使って一善の箸をつくり大師様の食膳に捧げたそうです。
大師様が旅立ち際に、“人の真心の尊さを説くもの”として捧げられた箸を、その地に挿したところ不思議なことに、その箸から芽が出て幹が松、枝葉が杉の霊木となったという伝説があるそうですよ。
不思議なお話しです・・!弘法大師がとても優しい心をもった人だったということが伺えますね。
目の御利益の元祖?!るりの滝を調査!
山門から本堂までの、道すじの途中にある「るりの滝」。
調べてみると、こちらも伝説がありました!
行基大士が寺院を建立するため、開山したのちに当時天皇だった、“帝孝謙天皇(こうけんてんのう)”が眼病を患い、寺院に祀っていた病患を救うといわれていた仏様、薬師如来に「目の病が治りますように」という祈願をしました。 すると、当時山から流れていた滝から油が流れ始め、その滝で目を洗うと眼病が治りました。 これをきっかけに「油山寺」と名付けられ、天皇の祈願により建設された「勅願寺(ちょくがんじ)」に定められたそうです。
るりの滝は薬師如来の別名である、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)にちなんで名付けられたといわれています。
目のご利益とはこういうことだったのですね・・!
きっと昔のひとの強い信仰心が、仏様に届いたのでしょうね。
三重塔を調査!
山の上、本堂の近くには日本最古といわれている三重塔がありました!
1190年に、源頼朝の眼病が治ったお礼として建立しました。
のちに、昔の遠州地方である遠江国の守護職である、工藤祐経という人物が、薬師如来を祀っている薬師堂と共に、三重塔の修築や庭奉行をしたという歴史の深い塔なのだとか!
凛としていて美しいですね。
この三重塔は、「木割豪壮」と呼ばれる、柱の太さや柱間の距離を基準とし、比例関係によって部材の寸法を割り出す手法で造られています。
また、安土桃山時代の三名塔の一つに数えられており、塔の高さはおよそ23mなのだそう!
構造を計算して建てられているからこそ、こんなにも立派な風格なのですね。
いよいよ本堂へ!
山の一番上にある薬師本堂。
こちらの本堂も源頼朝が、眼病が治ったお礼として寄付をし、三重塔と同じく工藤祐経が修築や、庭奉行をした建物だといわれています。
その後1738年に、山主であった幸恵法印(ゆきえほういん)という僧侶が、徳川吉宗と会うことになった時に患っていた病気が治ったお礼として、再建のための寄付をされたのだそう!
何人もの病気が治るなんて・・・やはり不思議な力もあるものですね!
目に関しての祈願が書かれた絵馬がたくさんありました。
弘法大師の仏像がいらっしゃいます。
千羽鶴もたくさん奉納してありました。
額縁の中は彫り絵でしょうか?こうしてみて見ると、長年の年月が経っているということを実感できるような味があります。
日を限ってお願いすると願いが叶うといわれている日切地蔵菩薩様(ひぎりじぞうぼさつ)のところにも「め」と書かれた絵馬がたくさんついていました。
ひだ飾りがついた朱色のお帽子とお召し物を着ています。
手作りでしょうか?よく見ると「奉納」と書いてありました。
油山寺にある本堂や三重塔までは、山の上を目指して歩くので階段や山道が多いです。
運動不足が悔やまれます!!
緑がたくさんな自然が広がります。
苔のついた木々や、竹藪に囲まれてなんだか神秘的です。
澄んだ空気を感じながら、時おり聞こえる鳥の声に癒されているのも束の間。
進んでいくにつれてどんどんハードな山道に・・・!!
もう完全なる山道です・・!
久しぶりにたくさん歩き、いい汗を流すことが出来ました!
油山寺をめぐる際には動きやすい服装をおすすめ致します・・!
今回はいくつかのポイントにしぼって紹介させて頂きましたが、見どころはまだまだたくさんあります!
文化財に登録されている建物もたくさんあるので、由来や歴史を学びながら楽しむことができました。
お休みの日にゆっくりと油山寺を巡ってみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
- 浜松を愛し、浜松に愛されることを目指して日々研究に没頭中
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