【最新版】縁結び&眼病平癒 浜名湖にのぞむ 舘山寺を観光
公開日:2021/06/03
浜松屈指の観光地である舘山寺町。
浜名湖岸の風光明媚な景色を楽しんだり、温泉街「かんざんじ温泉」で湯を楽しんだり、遊園地浜名湖パルパルやフラワーパークなどのテーマパークも充実しており、多くの人々がそれぞれに充実した余暇を過ごしています。
今記事は、「かんざんじ温泉」の名前の由来、さらに町の名前の由来にもなった由緒あるお寺、舘山寺観光に外せない「舘山寺」をご紹介します。
- 1. 館山(たてやま)という山に開山した舘山(かんざん)寺
- 2. 旅する人々の心を清める寺
- 2-1. 太刀山愛宕神社
- 2-2. 縁結地蔵尊
- 2-3. 舘山寺本堂
- 3. 館山をハイキングコースで一周
- 3-1. 西行岩
- 3-2. 穴地蔵
- 3-3. チャート岩海岸
- 3-4. 祈願岩
- 3-5. 百合岬と鶏冠岩
- 3-6. 愛宕神社奥宮と磐石
- 3-7. 舘山寺聖観世音菩薩立像
- 3-8. 穴法師
- 3-9. 展望台と富士見岩
館山(たてやま)という山に開山した舘山(かんざん)寺
かんざんじ温泉街の外れにある舘山寺。
舘山寺の鳥居(正確には境内の愛宕神社の鳥居)へと続く門前通りにはホテルや旅館が立ち並んでいます。
突き当りに鳥居
舘山寺町の最北にある、三方向を浜名湖に囲まれた山を館山(たてやま)といい、舘山寺はその名の通り、館山(たてやま)に開山した寺だから「舘山寺」と名付けられたそうです。
海から見ると島のように見える館山
旅する人々の心を清める寺
開山のきっかけとなったのは、弘法大師(空海)。
810年(平安時代)に、高野山から行脚の際に舘山を訪れ、この地で修行したと言われています。
そして、“旅する人々の心を清める寺”として舘山寺を創設したのだとか。
山の麓にあるのが舘山寺
現代でも“旅する人々の心を清める寺”としての役割は健在。
さすが弘法大師ともなれば、千年先のことも見通せる、先見の明を持っているんですね。
弘法大師はおそらく徒歩でこの地に辿り着いたのでしょうが、現代人は出来れば車で移動したい。
ありがたいことにお寺の前に駐車場があるので老若男女誰でもお参り可能ですよ。
30分無料
最初の30分は駐車無料。
30分後から1時間は 300円。以降30分毎に100円かかります。
駐車場の先にある舘山寺園で1000円以上お食事の場合は2時間無料。または、舘山寺社務所で1000円以上利用(おみくじは除く)で2時間無料。駐車券の持参を忘れずに!
また、平日の場合は門前通り公共駐車場がおすすめ。
無料で駐車できますよ。
門前通り公共駐車場
門前通りの公共駐車場は、休日は混み合う可能性があります。
もし駐められなかった場合は、少し遠くなってしまいますが「舘山寺公共駐車場」という無料の駐車場がありますのでそこに駐めるのもありです。舘山寺公共駐車場から舘山寺までは徒歩15分から20分ほどかかります。
境内に入る入り口は二つ。
一つは、舘山寺境内の「太刀山愛宕神社」の鳥居から愛宕神社へと続く階段。
もう一つは、駐車場手前の舘山寺社務所前に続く階段。
私たちは、真正面にあった鳥居から境内へ。
階段を登り切ると左手に「太刀山愛宕神社」が見えます。
太刀山愛宕神社
舘山寺の境内にそっとたたずむ愛宕神社ですが、その建立は727年。
舘山寺よりも以前に、館山には神社があったんですね。
さらに面白いのは、館山を「太刀山」と表記しているところ。
昔は「太刀」と書いていたのを、後の世になって当字で「館」と変更したのでしょうか。
ちなみに、館山(たてやま)といえば千葉の館山の方を思い浮かべる方もいるのでは?
千葉の館山は、1590年に里見義康(大名)が山上に城を建てたことに由来するようです。“大名様の館の建つ山=館山”だと。あともう一つは、南北の方向(縦)にそびえる山で、“たてやま”だという説も調べる中で出てきました。
浜松の舘山寺町にも堀江城跡がありますが、館山の位置には一致しませんね。
山も南北と言うよりは東西の方向に伸びている。
もしや、「山の見た目が太刀に似てるから太刀山とか?」と思いグーグルマップを参照。
う〜ん、刀と言うよりは、むしろオカリナに似てるな?
さて、話を本題に戻しまして、お次は「舘山寺」。 本堂は愛宕神社の右側、同じ敷地内にあります。
縁結地蔵尊
舘山寺本堂向かって左にある小さなお社は、舘山寺 「縁結地蔵尊」。
明治から120年以上の信仰を集めると言う「縁結びのお地蔵さん」。
いつ行っても絵馬がお社にびっしりとかけてあり、“縁結びの力”の程が窺えます。
絵馬には大きく「心」と書かれ、その上に鍵のイラストが描かれています。
これは、最初に願ったことを忘れぬように心に鍵をかけ、努力精進できるようにと初志完徹の意味が込められているそうです。
愛の南京錠しかり、恋人と鍵のモチーフ=永遠と言うメッセージはよく見かけますが、そこは仏教。
諸行無常、努力精進、初志完徹。
メッセージが実直でとても良いと思います。
恋愛成就以外の縁にも良いそうなので、意志を強く成し遂げたいことがある方はぜひ。
舘山寺本堂
御本尊は「福一万願虚空蔵菩薩」。
丑年と寅年の守り本尊なのだそうです。丑・寅年に生まれた方は訪れてみると御加護があるかもしれませんよ。
また、新政府の神仏分離令により一度廃寺になったこともある舘山寺。
再興が認められた際には、秋葉山秋葉寺の和尚を招き、秋葉三尺坊を舘山寺でも祀ることになったそうです。
社務所と打鐘場
社務所
社務所にはたくさんのお守りとおみくじがあり、眺めているだけでとても楽しいです。
もちろん縁結び守りも充実していて素敵。
縁結びのコーナー
いちごの縁結び守り
恋みくじにもいろいろ種類がありましたが、男の子と女の子の(選べる)お守りがついてくるおみくじが可愛かったです。
可愛い
一個一個表情や服が違うデザイン
お札もたくさん
お守りも多種多様
子供守りもデザイン充実
縁結びスポットなこともあり、可愛らしい女性向けのお守りやおみくじが豊富。
すっかり御守り物色に夢中になっていましたが、社務所の向かいからは舘山寺八景の一つを拝むことができます。
昼なので月は出ていませんが、十分良い眺め。
館山をハイキングコースで一周
館山にはハイキングコースが整備され、山にある見所スポットを散策することができますよ。
私たちは本堂に向かって右側の階段から回り始めることにしました。
最初に目指すは西行岩。
早くも階段
階段を上がると一気に山っぽくなってまいりました
しばらく歩いて気がついたのですが、マップに記載されている道で通れない道が所々あるぞ?
ん?
険しかったり通行禁止で通行不可能だった道
こりゃ運動靴じゃないと無理
西行岩
しばらくけもの道のような細い道を歩いていくと、突如ひらけたところに出ました。
眩しい〜
唐突な西行岩
まさかこんな唐突に現れると思っていなかったので軽く驚きました。
西行岩は、西行が朝夕座ったと言われる岩。
この岩を見て西行は「いっちょ登ってみっか」ってなったのか
西行は僧侶であり、歌人でもあったそうで、館山でも歌を残しています。
館山の 巌の松の苔むしろ 都なりせば君もきてみむ
(館山の大きな険しい岩の苔むしろ 都だったらきっと君も見に来るだろう)
西行 / 舘山にて
公式な現代訳が見つからなかったので、私の調べ得る限りで意訳するとこんな感じかなと。間違っていたらごめんなさい。(詳しい方がいらしたらコメント欄で意訳教えてください。)
月や花など耽美な句が多い西行法師。恋を歌った歌も多いんですよ。 しかも、若い頃はかなりイケメンだったという西行法師。この歌に出てくる“君”とはどんな関係だったのでしょうか。果たしてこれは恋の歌なのか。
浜名湖から見た西行岩
当時は岩の周辺がどんな景色だったのかわからないですが、西行もだいぶ目立つところ見つけたなと。
てっぺんに坊さんが座って妙にしっくり来るというか、“ステージとして出来上がってる”感じ。
それはさておき、見晴らしが良さそうな石があったからつい登ってみちゃうその感覚は現代人の私たちでも共感できるものがありますね。行動力があって好きですよ、西行。
穴地蔵
来た道を引き返し、海岸まで降りることのできる遊歩道を目指します。
その途中で、何やら小さな洞窟のようなものを発見。
「穴大師かな?」とマップを見てもどうやら位置が違う。
ここは「穴地蔵」と言って、海難不明者のためのお地蔵様。
昔の人々は海難で不明になった人を探すために、このお地蔵様にお願いをしたそうです。
チャート岩海岸
穴地蔵を過ぎたあたりから木々の間から潮風が吹いてきて気持ちがいいなあと思ったら、雲行きが怪しくなってきてしまいました。
右手の階段が海岸へと続く遊歩道
この階段が下りはよかったけど、上りは段下が丸見えで…。
思わず足が震えるほど、高所恐怖症の私にはかなりこたえました。高所恐怖症の皆さんは気をつけて!
赤石のビーチ!
快晴時はこんな感じ
この摩訶不思議な「赤い海岸」ですが、チャート海岸と言います。
チャートとは二酸化ケイ素を含むプランクトンや海綿動物の殻や骨片が海底に堆積してできた岩石。
すごく硬いので、昔は打製石器や火を起こすのにも使っていたそうですよ。
それで館山には愛宕神社(火の神様)が祀られているんでしょうか。
見事な岩
サイコロステーキみたい
祈願岩
百合岬へと向かう道すがら見つけた縁起のいい岩「祈願岩」。
しめ縄が只者じゃない感
夕陽に向かって大岩に手の平をあて、心の思いをお願いすると願いが叶うとのこと。
なるほど、願いを叶えたい人は夕方に来る必要がありそうですね。
まだ陽が沈むのは先なのでまたの機会に。
その先にもご利益のありそうな岩がありましたよ。
そして、山のあちこちに積み石がいっぱい!それだけ多くの人が館山を訪れているんでしょうね。
カエルに似てる岩
百合岬と鶏冠岩
ようやく館山の最西端「百合岬」の入り口に到着。
この先も結構足場が悪い
岬の先端に到着
岬から湖に向かって右手には「鶏冠(とさか)岩」と呼ばれる岩があります。
とさか そっくり
岬の先端
これ何?
調べてみたところ、これは「三角点」なるものだということが判明。
三角点は、「三角測量」という基準となる二点を結んだ線から測定したい点までの角度を測ることで測量点の位置を割り出す測定法で基準とされる地点。
気になって調べてみたら、日本中にびっしりと三角点が設置されていて「こんなにあるの!?」と面白かったです。(地理院地図 / GSI Maps|国土地理院:http://maps.gsi.go.jp/?ll=35.23917,139.022026&z=12&base=std&ls=relief&vs=c1j0l0u0&d=v#7/36.359375/137.982788/&base=std&ls=std%7Ccp&disp=11&lcd=cp&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m)
愛宕神社奥宮と磐石
岬から道を登っていった先にあったのは大きな岩。
岩の近くには木の立て看板があり「船岩 助けぶね」と書いてありました。
確かに舳先のように見える
この辺一体には磐石が積み重なるようにあり、それぞれに名前がついているようです。
せっかくなので一つ一つを拝見。
くぐり岩
くぐり岩の隙間をくぐり抜けると難を逃れることができると書いてあったので、
どれほどの穴かと確認してみると…
狭っ
赤ちゃんがハイハイしても厳しい!
いやあ、世の中そんな甘くないってね…。
さらには、そびえるような天辺(てっぺん)岩。
天辺石
初登岩
初登岩の裏に回り込むと石像がお祀りしてありました。
さらに裏へ回ると、祠を発見。
どうやらここが太刀山愛宕神社の奥宮のようです。
奥宮
舘山寺聖観世音菩薩立像
ようやく見えてきました、聖観世音菩薩立像。
高さ16mほどの仏像で昭和12年に建立されました。
元内閣総理大臣の安倍晋三氏とそっくりだと一時期、話題になったんですよ。
また、やさしいお顔立ちから「美人観音」とも呼ばれているとのこと。
確かに似てるかも
舘山寺聖観世音菩薩立像の隣には売店のようなお店があり、植物の苗や民芸品を販売していました。
お手洗いもお借りできる
穴法師
こちらの穴法師と呼ばれる洞は、弘法大師(空海)が三十七昼夜(18日と半日ってこと?)にわたり修行したという言い伝えです。
中には弘法大師自ら作ったとされる自分の姿を彫った石像がお祀りされているそうです。
さて、この穴ですが、実は約1500年前の横穴式古墳でもあります。
遺骨を置く玄室と外部をつなぐ廊下がある円墳で、玄室の中に入ってお参りをします。
お墓だと思うと少し怖い!ですが、
眼病平癒のご利益があるそうで、絵馬やろうそくを立てたりして祈願する人が後を経たないんですよ。
絵馬
洞の中は蝋燭の明かりだけで暗いので気をつけてください。
写真を撮ろうと奮闘しましたがこの通り。
手持ちの蝋燭に火を灯したところ
真っ暗闇〜!
写真が撮れなかったため、ここからはただの目撃談になってしまうのですが、洞窟の中の岩肌はびっしりと根のようなもので覆われていました。その植物?に露がとまって、蝋燭や携帯のライトの灯りに照らされる様子は、遠目で見ると星のようですごく綺麗でした。(でも、近くで見ると結構不気味だった 笑)
中の様子が気になる方はぜひ現地へ行ってご自分の目でご確認ください。
ご利益アイテム 手ぬぐい
穴法師が眼病平癒のご利益ありとされた由来は下の記事で触れていますのでよかったら読んでみてくださいね。
展望台と富士見岩
さあ、クライマックスは浜名湖の景色を一望できる「展望台と富士見岩」。
先に現れたのは「展望台まで30m」の看板。
デッキだ
展望台
展望台からは東名高速道路の道路橋が見えました。
晴れた日には富士山が見えるという「富士見岩」はもう少し上に登るとあります。
「富士見岩より眺める細江・引佐」の石碑
途中、道が細く傾斜がかったような道もあり、健脚の方でないと厳しいかも。
道は険しい
富士見岩
この日は段々と曇ってきてしまったので残念ながら富士山は見えませんでした。
もっと晴れてたらなあ〜と残念に思いましたが、景色だって一期一会。
今日の日にしか見られないこの景色を目に焼き付けます。
あ、遊覧船だ
でもやっぱり富士山見たかったなあ
いい運動になりました!
舘山を写真を撮りながら見てまわるのにおよそ1時間半ほどかかりました。
ウォーキングコースなので整備されてはいますが基本は山なので、もし行くとなったらスニーカーなどの歩きやすい靴がおすすめ。虫(夏は蚊)も多いので長ズボンがいいかなと個人的には思います。
また、館山及びお寺の境内には自販機はないので、夏は特に飲み物を確保してから中に入るようにしましょう。
お手洗いは舘山寺聖観世音菩薩立像の近くの売店の中にありましたが、そこにしかないのでお手洗いを済ませてからお参りするといいと思います。
亀そっくりな石
この記事を書いた人
- 猫と一緒に暮らし始め、猫アレルギー疑惑が払拭されました。猫の毛ってすごい空中に舞いますね。ふわふわ。
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