噂のスポット!シネマイーラ
公開日:2018/03/09
浜松周辺に住む人が聞いたことある!見たことある!けれど、行ったことはない…。
そんな「噂のスポット」にハマラボが向かいます!
気になるあの場所、徹底調査してきましたよ!
静岡県西部唯一のミニシアター、シネマイーラ
今回の調査対象は、中区田町にあるミニシアター、「シネマイーラ」。
かつては映画製作、配給、興行会社である「東映」の直営映画館「浜松東映劇場」として営業していましたが、2008年10月に閉館。単館系作品の上映映画館がなくなってしまうことを危惧した館長・榎本さんによって、「シネマイーラ」として再開館されました。
遠州地方の方言「いいら」と「energy」のeが名称の由来となっています。
県西部唯一のミニシアターということもあり、遠方からもお客さんが訪れるというシネマイーラ。公式ホームページやシアター前の掲示を覗くと、シネコンの上映作品とはまた違った魅力を感じる映画の予告が並んでいます。
行ってみたいけど、ミニシアターというと「通」が行くようなイメージで敷居が高い‥。
そんなあなたに代わって、今回もハマラボが徹底調査してきましたよ!
さっそく現地調査のご報告です!
ミニシアターって?単館系って?
そもそも、映画や映画館についての話の中で、たまに耳にする「単館系」や「ミニシアター」という言葉。皆さんは正確な意味をご存知ですか?
ミニシアターとは? 大手の配給会社や興行会社の直接の影響下にない独立的な映画館。旧来の「単館系映画館」を含む。一般に規模が小さく、座席数300以下のものが多い。
「ミニ」シアターと聞くと「小さな映画館」を想像しますが、多くは大手の配給会社に属さない運営形態を指しています。今回調査するシネマイーラも含め、一般的にスクリーンは1~2つ。座席数は300席未満と小さな映画館が多いため、「ミニ」シアターと呼ばれるようになりました。
現在日本では毎年1000本以上もの映画が公開されています。しかし、そのうち大手配給会社に属するシネマコンプレックス、通称シネコンが上映するのは150本~200本ほどなのだそう。
話題作を中心に上映するシネコンと違い、映画館が独自に上映作品を選ぶミニシアターの魅力は、そこからこぼれ落ちてしまった名作を見られること。
『トレインスポッティング』や『アメリ』など、ミニシアターでの上映から社会現象となるほどのヒット作が出たこともあるんですよ!
シネマイーラってどんなところ?
シネマイーラへは浜松駅から有楽街方面へ徒歩10分。
ビル自体に駐車場はありませんが、近隣に提携駐車場のエコパークがあり、映画を見ると2時間分の駐車料金が無料になります。
エレベーターを上がってすぐのロビーです。
映画のポスターやフライヤーがたくさん貼られていてわくわくします!
左手にはカウンター。
こちらでチケットやグッズの購入ができますよ。
カウンターの横には無料で借りられるひざ掛けがありました。映画を見ていると意外と足先が冷えたりすること、ありますよね。これはありがたい。
シネマイーラは152席のスクリーンを1つ有し、「映画館は学校です」をモットーに年間150以上の作品を上映しています。
シネコンなどスクリーン数の多い映画館では、1つのスクリーンで1つの映画を流し続けることが多いですが、ミニシアターは基本的に、時間による入れ替え制。
スケジュールは公式ホームページやSNSで見られるほか、カウンターでも配布しています。
作品によっては、監督や出演者を招いての舞台挨拶など貴重なイベントが見られることも。
映画「ハルをさがして」上映会の様子。中央が館長・榎本さん、その右手が主演・佐藤菜月さん
「映画館は学校」ミニシアターの魅力とは
ミニシアターの魅力やシネマイーラで上映している作品について、館長の榎本さんにお話を聞くことができました。
───シネマイーラで上映される作品は、どのように選ばれているんですか?
「うちの客層は女性の方が7割、シニアの方が7割。女性シニア層にうける作品となると、歴史ものや、ヒューマンドラマ、ドキュメンタリーみたいな社会的なものが多いね。 上映できる作品に制限もあるから、できる範囲でお客さんに喜んでもらえるような作品を選びます。“この作品はあの人好きだろうな”ってお客さんの喜んでくれる顔が浮かぶこともあるよ」 |
───お客さんとの距離が近い映画館、というのはミニシアターならではの魅力ですね。「映画館は学校です」がモットーとのことですが、それはどういった意味なのでしょうか?
「モットーというか、娯楽としての映画が一般的だけど、シネマイーラではドキュメンタリーだったり、歴史に関わる作品だったり、勉強になる映画も多く上映してる。それが僕の言う“映画館は学校”につながるわけです」 |
見終わった後に何か考えさせられるような、心に残る作品が多い
───ミニシアターでしか見られない作品も多そうです。では「シネマイーラの魅力」はなんですか?
「そんなにうちだけの魅力って言われるとないけどね(笑)館内の椅子はこだわって、7万円くらいものを設備したから、それから10年経った今も椅子の座り心地は評判がいいよ。 映画館に映画を見に来るっていうことはおよそ2時間、その場に拘束されるわけだから、座り心地のいい椅子はおもてなしだと思ってる」 |
カウンターのひざ掛けや、子供用のクッション、椅子へのこだわりに至るまで、お客さんを思う榎本さんやスタッフの方の心遣いを感じます。
ミニシアター、シネマイーラの魅力は、上映作品の違いだけでなく、お客さんとの距離感にもあるのかもしれません。
館内にあるたくさんの書籍やDVDは榎本さんの私物。会員であればだれでも借りることが出来る
───これから初めて「シネマイーラ」に来る方に何か一言お願いします。
「普通の映画館です。あまり気負わず、ぜひ気軽に来ていただければ」 「最近は遅めの時間帯に、若者向けの作品を上映したりもしてるよ。そうすると意外と若い子たちがちゃんと来てくれる。なんでも挑戦だね」 |
気さくな榎本さんのお話や、館内の暖かい雰囲気,、個性的な上映作品の数々にシネマイーラが愛される理由が分かった気がします!
映画好きの方はもちろん、年に何本か見るくらい、なんて方も一度訪れてみては?
超人気作とはまた違った、自分だけのお気に入り映画が見つかるかもしれません。
2018春必見!おすすめ映画を聞いてみた
「まずは“スリービルボード”かな。アカデミー賞にもノミネートされていて、僕は主演女優賞と助演男優賞はこの作品が取ると思ってる。浜松ではほかに上映がないから、ぜひ見に来ていただけたら」 |
取材を行った2月27日には、アカデミー賞のノミネート作品が館内に掲示されていました。
そして3月5日に第90回アカデミー賞の授賞式があり、結果は「スリービルボード」が主演女優賞、助演男優賞の2部門を受賞。榎本さんの予想的中です!さすが!
シネマイーラでは2018年3月17日(土)から4月6日(金)まで上映していますよ。詳細なスケジュールは公式ホームページをご確認ください!
「“バケツと僕!”は浜松が舞台の作品。メインロケ地も浜松だし、ぜひ地元の人に見に来てもらいたいね」 |
「バケツと僕!」は2018年3月17日(土)から4月13日(金)までの上映。公開初日にあたる17日には、主演の紘毅さん、徳永ゆうきさんが登壇する舞台挨拶が行われるそうですよ!ぜひ足を運んでみてくださいね。
152席のスクリーンに、時間入れ替え制の上映作品。ミニシアターに馴染みがない人にとっては、シネコンに比べて、敷居が高いイメージがあるかもしれません。
しかし、浜松でここでしか見ることができない名作がたくさんあります。
時間さえ調べておけば大丈夫。気さくな館長さんや優しいスタッフの方が出迎えてくださいます。入ってみると、ミニシアターにしかない雰囲気にもワクワクしちゃいますよ!
ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
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