鴨江の根上がり松。地元民だけど初めて近くに行ってみた

公開日:2020/07/17



浜松各地の伝説や怪談にまつわる奇妙なスポットをご紹介。
今回は、鴨江の根上がり松を調査!
鴨江の根上がり松
浜松市中区鴨江に市指定天然記念物に認定されている珍しい松があります。
五叉路の交差点「根上がり松前」に面する「鴨江山公園」の一角に生えています。
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大きい松
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早速、付近を探索
辺り一帯の地名にもなるくらい有名なランドマークですが、実は近くまで行って見るのは今回が初めて。
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ぐびっと見上げてやっとカメラの画角に入った
樹齢は推定400年ほどにもなる巨大な松。
樹齢だけでたまげたものですが、この巨大な松のどこが珍しいかというと、根っこの部分が2m以上も地表から上がって生えているところ。
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裏から見るとなんか人間みたいな形
もともと昔話① もともとは二本あった
昭和34年の6月、市指定天然記念物に認定された時、実は二本生えていた根上がり松。
とても残念なことに、
2007年(平成19年)の7月14日午前9時50分頃、1本が根元から約3mのところで折れてしまいました。目の前は交差点だったため通りを走る軽自動車に直撃。(その時、中に乗っていた方達は無事だったそうです。本当によかった…)
折れた幹の太さは約80cm!幅9mの道路を完全に覆っていたそう。
それまでは、樹齢が200年ほどだと言われていたそうですが、この倒れた幹の年輪を専門家がみたところ樹齢400年ほどの松だったということが判明したそうです。
今も、二本めの根っこの部分は大事に保存されていましたよ。
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この看板の裏にあるんだけど…草茂りすぎて見えない…
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近くまで行ってシャッターを切る
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ちょ、草!!!繁りすぎ!
もともと昔話② もともとは鴨江寺の山林 十九番観音根上がりの松
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石碑があった
今は、郊外の一角にある根上がりの松ですが、その昔はこの辺は鴨江寺(浜松市中区鴨江にあるお寺)の山林だったそうです。
鴨江寺の創立は奈良時代。鴨江寺の始まりは、ちょっと面白い伝承が残っていて、「芋ほり長者」というお話があります。
その昔、奈良時代に、信心深い美女が都にいた。
あの日、伊勢神宮へお参りに行き良縁を祈願。その日の夜、夢に神様が現れ、綿で出来た小袋を女に渡すと「この袋を持って東へ行きなさい」と告げた。
お告げの通りに女は東へと旅に出た。
〜
遠江国を旅している時に、付近に宿のない野原で日が暮れてしまい、女は付近の農家をたずね、宿泊させてもらうことになった。
〜
その家に住んでいたのは、山の芋を掘って生活をしている貧しい男。男は貧しいなりに精一杯女をもてなした。女はそれを嬉しく思い、二人は打ち解け、女は旅のきっかけとなった綿の小袋を男に見せた。
すると、男も「同じものを持っている」と言い、同じ袋を見せた。二人して、それぞれの袋を開けてみると両方の袋には黄金の玉が入っていた。
〜
縁を感じた二人はその後夫婦となり、一生懸命働いて財を成した。芋掘りから身をなした二人を村人は「芋掘り長者」と呼んだ。二人は、こうして互いに出会い、豊かになれたのは神様仏様のおかげだとし、お寺を建てて観音様をまつった。これが今の鴨江寺(鴨江の観音様)になった。
この鴨江寺の縁日の日には、人々の巡拝にそなえて、鴨江寺の山林33ヵ所を選んで石像観音を置いたそうです。
根上がりの松のところは、その19番目の石像観音が置かれた場所ということで「十九番観音根上がりの松」とも呼ばれているそうです。
鴨江山公園の裏山に登ってみる
「十九番観音根上がりの松」の石碑をまっすぐ進むと鴨江山公園の裏山に入る道があります。
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突然の杭。早くも行き止まりなのか!?
どうやら真ん中の斜面を登って行かないようにするための安全対策の様子。
獣道が左右に伸びていたので、とりあえず左に進みました。(行動心理学的に人間は無意識に左へ左へと進んでいく傾向がある…。)
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獣道
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これは…根上がりの松には含まれんかったのか?
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結構な迫力ある
そのまま獣道を登っていくとてっぺんに到着。
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ちょっと暗いなあ
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ここにも大きな松の木
噂によると市指定天然記念物に認定された当時はてっぺんに井戸があったそうなのだが、真偽は不明。井戸らしき跡地も見当たらなかった。
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登ってきたのと反対側には階段。なんだ、逆側からだったら楽に上がれたのか。
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「右に行ってたら階段で来れたんすよ〜」
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「…いや、来れんかったですわ」
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なんだこの不思議な構造は
おそらく右の獣道から続いてきた道が、
手すりで阻まれてる!
じゃあ、この階段はどこから?どこへ私たちはたどり着くのだ…。
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めっちゃ裏道に出た
どうやら西側から東側へ登り下りしてきた様子。
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根上がりの松のところに戻るか…
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鴨江山公園の遊具があるところ
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こじんまりとした公園
ちなみに、右の獣道はこんな空間に繋がっていて、
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蚊に刺されまくるスタッフ
やっぱり、あの手すりに阻まれた階段で行き止まりでした。
すごく立派な松でした。
裏山探索する人は長袖長ズボンで蚊を寄せ付けない装備を推奨します。
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この遠鉄バスのバス停の名前も「根上り松」。
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とぼとぼ…
ミニ根上がり松
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- 浜松周辺に住む人が聞いたことある!見たことある!けれど、行ったことはない…。そんな「噂のスポット」を調査!
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