「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会

浜松市北区

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会 「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会 「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会

池を優雅に泳ぎ「泳ぐ宝石」や「泳ぐ芸術品」と呼ばれる錦鯉。
そんな錦鯉が美を競い合う品評会が、毎年春と秋にフラワーパークで開催されます。

浜松は錦鯉の有数な産地

浜名湖で養殖といえばウナギやすっぽんが有名ですが、実はここ浜松は錦鯉の生産でも有数の地
浜名湖周辺のウナギを養殖していた休池、豊富な水、年間を通じて温暖な気候など、地の利を活かした錦鯉の生産で知られております。身近に養鯉生産場があるので愛好家の方が活動しやすい環境でもあります。

フラワーパークで開催「錦鯉品評大会」に行ってきた

愛好家の皆さんが手塩にかけて育てた錦鯉が集合するのが、フラワーパークで開催される浜名湖錦鯉愛好会「錦鯉品評大会」。 毎年春と秋に開催されるイベントです。
今回は「春の錦鯉品評大会」に行ってきました!

会場はフラワーパークの展示プラザ。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

このへんが展示プラザ

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

若鯉が集合~!

春の錦鯉品評大会は10時から。
今回は11過ぎにお邪魔したので、錦鯉はすでに審査結果順に並んでいました。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

錦鯉を見学する来園者の皆さん

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

いるいる~

初めてやってきた錦鯉の品評会。
サラッと見学してみましたが疑問だらけなのでお近くにいた愛好家の方に質問してみました!

―――こんにちはー、錦鯉の見学に来ました。今日はどのくらいの錦鯉が出品されているんですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 今日の出品は100本(匹)。
まあ、例年と同じくらいだよ。

―――100匹もいるんですか!

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 向こうの袋に入っているのも全部そうだよ。
「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

会場の奥には袋に入ったままの錦鯉がいっぱい

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

いーっぱい

―――おお、これもみんな出品された錦鯉なんですね。

袋に入った錦鯉ばかりかと思えば、奥の大きなプールには泳いでいる錦鯉もいました。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

悠々と泳ぐ錦鯉

―――袋に入っている錦鯉とプールに入っている錦鯉がいるんですが?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 小さい鯉はビニール袋、大型の鯉はマイプールに入れているんだよ。
ビニール袋は鯉ヘルペス対策で分けてるからなんだ。

―――もしかして、錦鯉は袋に入ったまま審査するんですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん そうだね、小さい鯉は袋に入ったままで審査するよ。

―――袋に入れたまま審査、なかなか不思議です。以前に見学した金魚(らんちう)の審査では、数人の審査員がそれぞれ点数札を一斉に出す方式だったんですが…

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 審査員が見て選ぶけど、点数札は使わないから金魚とはまたちょっと違うね。

錦鯉の審査基準は、「体型・色彩・模様」の3つが基本。
それぞれの好みはあるものの、客観的に判断するために基本項目ごとの配点制になっているのが一般的です。

錦鯉の大きさは「部」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

ズラリと並んだ袋には数字と品種らしき文字

―――15…部?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 15部というのは12cmより大きくて15cmまでの大きさのことだよ。

―――へえ、大きさは「部」で表現するんですね。

錦鯉のサイズは頭の先端のから尾鰭の先までの全長。
品評会では、通常5cm刻みの「部」という単位を用いて表します

以下は、教えていただいた本大会の錦鯉のサイズと部門。
サイズの区分や部門は大会によってさまざまなのだそうです。

ミニの部
  • 12部 12cmまで
  • 15部 15cmまで
幼魚(ようぎょ)の部
  • 20部 20cmまで
  • 25部 25cmまで
若魚(わかぎょ)の部
  • 23部 30cmまで
  • 35部 35cmまで
  • 40部 40cmまで
成魚(せいぎょ)の部
  • 45部 45cmまで
  • 50部 50cmまで
壮魚(そうぎょ)の部
  • 55部 55cmまで
  • 60部 60cmまで

錦鯉の品種は100種類以上!

見た目がそれぞれ違う錦鯉たちですが、なんと100種類以上の品種が存在しています。
とくに人気を集めているのは錦鯉の「御三家」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 錦鯉の御三家は「紅白・大正三色・昭和三色」
大正三色は三色「さんしょく」または「さんけ」、昭和三色は昭和と呼ぶよ。

―――御三家、何かかっこいい!

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

こちらが御三家のひとつ「紅白」

赤と白、めでたい組み合わせの「紅白」。
名前のままで分かりやすいです。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

こちらは「大正三色」

紅白に墨がのった赤・白・黒の3色が「大正三色」。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

(昭和)三色

大正三色と似ているようで別物なのが「(昭和)三色」。
大正三色に比べて墨が多く、白地が少なく豪快さがあります。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

え、これも(昭和)三色なのか

―――個体差があるから、素人には墨の分量で判別するのが難しい鯉もいますね。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん そうだね、たとえば頭に墨がのっているとだいたい(昭和)三色だよ。
「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

頭部に墨混じりは(昭和)三色

昭和三色と大正三色の違いがいまいち難しいと唸っていたら、案内してくださったのは別の鯉の前。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

品種「別甲(べっこう)」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん これは「別甲」と言って、これに赤がのると大正三色なんだけど。
う~ん、これもちょっと墨が多いからまだ分かりにくいかな。
「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

品種「写りもの」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん あ、これが分かりやすいんじゃないかな「写りもの」。
墨がお腹までガッときてるから。写りものに赤がのると(昭和)三色だよ。

―――おぉ、このくらいハッキリ墨が多ければ判別できそうです。

でも、正直何より分かりやすいのはビニール袋に書かれた品種名(笑)
これがないと素人にはちんぷんかんぷんですね。

以下は、ちんぷんかんぷんしながら鑑賞した錦鯉たち。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

紅白かと思ったら光る鱗を持った「銀鱗(ギンリン)」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

キラキラだけど銀鱗とはまた違うの?「光り模様」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

これも「光り模様」

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

三より多いじゃん! 五色(ごしき)

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

「丹頂(たんちょう)」は分かりやすいかも!

頭部に丸い赤がのった「丹頂」は丹頂鶴が名前の由来。
日の丸みたいで人気が高いそうです。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

変わりもの?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

変わりもの??

―――「変わりもの」も品種ですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 変わりものはどこの品種にも属さなくて、変わっているから変わりものなんだ。

―――そのまんまの名前なんですね(笑)

本大会の優勝魚たち

ではでは、錦鯉のいろはを掴んだところで本大会の優勝魚をご紹介します。
まずは全体総合優勝の錦鯉です。

全体 総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

全体での優勝魚がこちら

御三家の(昭和)三色だ!
体躯も立派で鮮やか、迫力がありますね~。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

―――錦鯉の鑑賞方法って(金魚のらんちうと同じく)上から見るものですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん そうだね、池を泳ぐ錦鯉は上から見るからね。

錦鯉の鑑賞の基本は上から見る「上見(うわみ)」
その大きさから多くは水槽ではなく池を泳ぐ錦鯉は、水槽を横から見るように鑑賞することができないので上から見るのが基本です。

鑑賞方法に合わせて写真も上見で撮りたく何度も挑戦するものの、プールが大きくて全然うまく撮れません!

壮魚の部 総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

壮魚なので55部と60部(50~60cm)での総合優勝です。
またしても御三家の(昭和)三色!

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

こちらも大きい

―――このくらいの大きさになるまで何年かかるんですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 業者が育てれば2~3年くらいかな。

―――わぁ、2~3年でこんなに大きくなるんですね。

錦鯉は住んでいる環境が狭ければ小さく、広ければ大きくなるそうです。
寿命は平均2~30年、上手に飼えば70年くらい。 中には寿命を迎えるまでに100cmを超えるほどの特大サイズになる錦鯉も存在するのだとか。100cmだと野球のバットよりも長いですよ。

成魚の部 総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

成魚なので45部と50部(40~50cm)の総合優勝。
またまた御三家の(昭和)三色!

パクパク

―――すごい口だな。

パクパクパクパクいつもエサを欲しがっているイメージの鯉。
実は胃がなくて体内にエネルギーを貯めておけないから食い溜めができないそうです。だから絶え間なく食べているんですね。しかも雑食性でその大きな口に入る大きさなら金魚でもなんでも食べてしまうんだとか。

のどの奥には咽頭歯(いんとうし)という歯があって、貝なども噛み砕いて食べちゃう。吸引力だけでなくて粉砕力も半端ないですね。ダ〇ソン!

若魚の部 総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

若魚だから30部・35部・40部(25~40cm)の総合優勝。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

お、このこはよく見たら鱗がキラキラだ~。
銀鱗(昭和)三色ですね。銀鱗だとさらに華やか!

幼魚部門の総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

大きな鯉に比べるとかわいらしい幼魚。
幼魚は20部と25部(15~25cm)だから、これでも15cm以上はあります。
手のひらよりも大きいくらいかな。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

御三家「紅白」

幼魚の優勝魚は、赤と白でシンプルだけどかわいい「紅白」。
御三家やっぱり強いですね。

ミニの部 総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

ミニの部は12部と15部(15cmまで)。
よく見えないけどビニール袋にある品種は紅白!

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

またまた紅白なんだけど、ちょっと見えないなー(笑)

各部 総合優勝

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

12部~60部までの各部ごとに優勝した錦鯉

各部優勝魚に多いのもやはり御三家! 強いですね~。

いろんな錦鯉を眺めながらふむふむと会場に長居をしていると、同じように長居をしている外国人の存在が目につきました。テレビ電話でひらすら錦鯉を撮影しながら通話する様子はただの見物人ではなさそうです。

―――あちらの外国人の方はもしや錦鯉を物色してるのでは?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん 錦鯉は海外でも人気だからね。

日本のみならず海外にも多くの愛好家がいる錦鯉。
外国人人気をフラワーパークで目にできるとは思いませんでした。

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所]

品評会の途中だけど持ち主のプールにどんどん錦鯉が集められだした

―――あれ、まだ13時前ですよね?もう片付けですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん そうだね。今日は寒いから

―――あはは(笑)それなら、昼までに見に来ないとですね。

品評会は10時~14時開催となっていましたが、随分早めに撤収作業がはじまりました。 錦鯉もどんどん片付けられてしまうので早めの見学がオススメです。

―――ところで、鯉って同じプールでもケンカしないんですか?

「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会|ハマラボ[ハママツ研究所] 愛好家さん ケンカしないよ。鯉の世界は平和だからね。

錦鯉はその穏やかな性質から「平和の象徴」とも言われる生き物。
優雅な泳ぎを見て、みんなほのぼのとした気持ちになりましょ。

結果報告

生き物の事ってちょっと深く知るとおもしろい!
今までは美しい生き物だなというくらいでしたが、これからは「お、御三家だ」などとツウぶれます(笑)

品評会はもちろん愛好家の方がメインのイベントですが、偶然立ち寄った素人でもちょっとした錦鯉の解説板があると「すごい大きいね」だけで終わらなくて楽しいんじゃないかな。
私は愛好家の方にお話しを聞き、さらに錦鯉のことを調べたら「錦鯉ってこんな生態だったんだ」と知れて楽しかったし、不思議なことにだんだんと錦鯉が飼いたくなってきました(笑)
冬場の冷たい水では団子みたいに並んで温める合うように冬眠するらしいんですよ、生で見てみたいな。

それにしても、「錦鯉」「審査」で調べると、検索結果にM-1グランプリばかり出てきて戸惑いました。

この記事を書いた人

とり
とり
文鳥を飼っています。

0件のコメント

「 「泳ぐ宝石」錦鯉が集まる 錦鯉品評大会 」についてのコメント募集中

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

トップに戻る