枯山水の古庭園&紫陽花 鎌田山医王寺

枯山水の古庭園&紫陽花 鎌田山医王寺

磐田市

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枯山水の古庭園&紫陽花 鎌田山医王寺|ハマラボ[ハママツ研究所]

JR御厨駅から徒歩5分
磐田市鎌田にある鎌田山医王寺に行ってきました。

境内を探索

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“鎌田山”とありますが、山はなく境内は全て平地。
そのため、参拝時に歩いて散策できる場所が多く、見所もたくさん。
あらゆる植物が敷地内に管理されていて、境内に足を踏み入れると庭木のいい香りが漂います。

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境内はなんと約8000坪
私が訪れたのは6月初旬だったので、とにかく木々が元気。
生茂る庭に調和するように建物が姿を現します。

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ちょっと変わってて面白いな、と感じたのがこちらの石垣。

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中くらいの大きさの石が丁寧に積まれていました。
百姓積み」というそうで、自然石をそのまま積み上げる「野面積み」という手法の一つだそうです。
大きさや形の違う石を丁寧に積み上げて出来た石垣なんですね。
ここ医王寺の石垣は江戸時代初期の頃に積まれたと言われています。

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「百姓積み」という手法ですがその名の通り、もともとは、お百姓さん達が畑を耕した時に出てくる石を畑の土留めとして積み上げていたことからそう呼ばれるようになったようです。

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境内によく手が行き届いているのがお地蔵さんを見るとわかる

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現在の建物を簡単に紹介していきます。

薬師堂

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「医」王寺という名からも想像のつく通り、薬師如来をご本尊としており、御利益は病気平癒。体の病、心の病、社会の病なんでも治せる薬壺を持っているそうです。

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赤い帽子がかわいい薬師如来

てっきり、これが本堂だと思っていましたが、昭和22年に浜松市鴨江寺から移築されたものだそうです。

山門

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江戸時代の弘化4年(1847年)に造られたという山門
当時は、お抱えの宮大工さんが二人居たとのこと。その宮大工さんたちと地元の大工さん15人で建てたんだそうです。

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山門に施された彫刻はどれも繊細で美しかったです。

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山門まで続く山道には鮮やかな苔が生えていて京都のような雰囲気が素敵。
別名「東海の苔寺」とも呼ばれているんですよ。

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モッフリ

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園芸で人気のすぎ苔

大師堂

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江戸時代天保4年(1834年)に建てられた大師堂。
昔は「三祖御影堂」という名前だったそうです。ちなみに三祖は三人の偉いお坊さん、行基さん・空海さん・覚鎫さんのこと(行基さんと空海さんは学校で習いましたね。覚鎫さんという方は知らなかった…)。

大師堂の周りには、歴代のお坊さんのお墓がお堂に寄り添うようにたくさんたっていました。

客殿と庫裡

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写真左側が客殿

庫裡(くり)とは、お坊さんとその家族が暮らすところ。
その横には客殿も。今は本堂の役割もしているそうです。

客殿の枯山水の庭園

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客殿にて、枯山水庭園の拝観と御朱印授与を承ってくれます。

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せっかくなので庭園を拝観

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拝観料は、大人200円、小人100円
おみくじは30円!お安い!

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建物の西側と南側をぐるっと取り囲むようなつくりの庭園。
この庭園をデザインした人は正確には誰かわかっていないそうですが、作風やその造りから、
江戸初期の大名であり、茶人でもあった、小堀遠州が関わっているのではないかと言われています。

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上の写真の中央に見える三つの石(右端が少しわかりづらいですが)が、いわゆる「三尊石」。
釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来をそれぞれの石が表しているそうです。

境内の紫陽花

境内の植物の中で目にする回数が多かったのが紫陽花

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6月中旬くらいには境内じゅうに咲く涼しげな紫陽花を眺めながら参拝することができそうです。

鎮守堂

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境内の北東、鬼門の方角に位置するこの鎮守堂は、医王寺に降りかかるあらゆる災い事を鎮めるために建てられたそうです。
兵火、風水害、火事などの災害から寺院が守られるようにとの願いが込められています。

ちなみに、前の項で、境内の石垣が「百姓積み」という積み方で出来ていると紹介しましたが、鎮守堂の土台部分は、大川徳三郎さんという専門の石工さんが手掛けたものだそうです。
江戸時代に作られた当時のままの石垣は、隙間がなく183年経った今も美しいままです。

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医王寺の歴史に触れる

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医王寺を創設したお坊さんは、なんとあの行基
行基といえば、寺院などの定められた期間以外での布教活動が禁じられていた時代に民間へ仏教の教えを広めた他、各地方に寺院を設立したり、橋や道などのインフラ整備なども行ったという、まさに民の味方のお坊さんでしたね。

その姿勢に当時から、「知恵の神様である文殊菩薩の化身」として、行基菩薩さまと呼ばれてきたそうですよ。
その行基が「ここの土地には薬師如来の霊験がある」として御本尊を祀り医王寺の歴史がスタートしました。

その後、医王寺は、平安時代に嵯峨天皇のバックアップを受け、大きなお寺に発展していきました。
当時は、本堂、金堂、講堂、五重塔、三重塔、鐘楼堂、仁王門、三十六ヶ坊の末寺などが広い境内に配置されていたそうですよ。

しかし、戦国時代に武田信玄勢の兵火にかかり、そのほとんどが燃やされてしまったそうです。 その12年後、徳川家康自ら浄財を出して再興を援助。しかし、旧観に復帰させることはできなかったそうです。

その後も、火災などの悲運に見舞われますが、徳川幕府のバックアップで復興を遂げます。「鎌田薬師」の名前で親しまれ、金剛院を本寺としその周りにも小寺がたくさんあったそうです。その辺りは、「坊中」と呼ばれ、地名が今でも残っています。今の本寺になっている建物は、この金剛院の脇寺だったそうですよ。

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大名駕籠

当時の隆盛をしのぶものとして現存する大名駕籠。
とても綺麗な状態で残っていました。

教育への貢献もしていたんですよ。 明治時代には、坊中学校(明治時代の学制を受けて出来た学校)開設のための資金援助や、医王寺の小寺である、宝生院(ほうしょういん)を教場として開放したりなど、素早い開校援助をして地元の教育に貢献。

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坊中学校があった場所は児童公園になっていた

第二次世界大戦時には、疎開命令で集団疎開してきた児童の受け入れ先に。磐田市内最大の人数を受け入れ、子どもたちの命を守りました。

客殿の展示室には、江戸時代に奉納された和算額や坊中学校の卒業証書などが展示してあり、歴代住職の教育への関心と理解の深さが伺えました。

結果報告
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とても素敵なお寺でした。
境内全体が磐田市の重要文化財として認定されており、枯山水は一見の価値あり。
4月上旬から5月上旬にかけ、境内が白い胡蝶花(シャガ)と言うお花でいっぱいになるそうです。
6月は紫陽花も楽しめそう。

おまけ

おみくじが30円とかなりお安かったので引いてみました。
お寺の方いわく「結構辛口な結果が出る確率が高い」そう。

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吉だったので落ち込まずに済んだ

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さんかく
さんかく
猫と一緒に暮らし始め、猫アレルギー疑惑が払拭されました。猫の毛ってすごい空中に舞いますね。ふわふわ。

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